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アントニオ・ロペス展


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駅のポスターを見掛け、Bunkamura ザ・ミュージアムなら近くだし・・・などと思っていたところ知人が招待チケットを下さった。
行かなくちゃ~行かなくちゃ~と思いながら時間が過ぎ、最終日になんとか滑り込み。


ハンマースホイの作品のように静かで穏やかな印象。
まったく知らなかった作家ですが好きな作家のひとりになりました、それほど素敵でした。

ポスターになっている「グラン・ビア」をはじめとするマドリードの街並みをパノラミックに写真かと錯覚するほどの細かいタッチで描いた作品群はとにかく圧巻。
それぞれの絵の前に立つと描かれた時間帯の光や空気、気温などのスペインでの思い出がよみがえり、それを再び肌で感じるとることが出来るような気がする程。どの作品も早朝や昼間、夏の長い夜を描くために何年も同じ時間にその場所に通い絵筆をとっていたという事を知ると頷けます。

油彩だけでなく、素描も素晴らしく、娘さんを描いた「マリアの肖像」などコートの質感は鉛筆だけで描かれているとは思えない程の緻密さ。
原寸大に近いのではないかという大きな「バスルーム」や「アトリエ内部」は鉛筆でこれほどにグレーのグラデーションを表現できるテクニックにただただ驚くばかり。

「マルメロの木」や近年描かれている「バラ」「すみれ」の植物のシリーズは明るい色調で瑞々しさが伝わります。

本当に豊かな才能と卓越したテクニックを持った作家なのだと、今回の展覧会でじゅうぶんに理解できます。東京での展覧会は終了してしまいましたが長崎、岩手と巡回するようです、機会があるようでたら是非観に行かれることをお薦めします。
by lilymiya | 2013-06-20 21:50 | アート | Trackback | Comments(0)

つぶやき日記