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海の夫人



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新国立劇場にてマチネ
2幕 3時間超



ヘンリック・イプセン
翻訳
アンネ・ランデ・ペータース、長島確
演出
宮田慶子


キャスト
麻実れい・・・エリーダ
村田雄浩・・・医師ヴァンゲル
大石継太・・・アーンフォルム
眞島秀和・・・見知らぬ男
橋本淳・・・リングストラン
横堀悦夫・・・役名失念
太田緑ロランス・・・ボレッテ
山崎薫・・・ヒルデ


あらすじ(フライヤーより)
北部ノルウェーのフィヨルドにのぞむ小さな町。
灯台守の娘エリーダは、初老の医師ヴァンゲルと結婚し、先生の娘二人ボレッテとヒルデとともに穏やかに暮らしていた。
エリーダには、かつて結婚の約束を交わしていた船乗りの恋人がいた。
恋人との関係が途絶え、生活が保証されたヴァンゲルの後妻となり愛される日々を過ごしてきたが、
生まれたばかりの息子を亡くし、ここ数年は精神が不安定で空虚な生活を過ごしている。
毎日海で泳いでばかりのエリーダを近所の人々は、「海の夫人」と呼んでいた。
そんな中、突然かつての恋人が現れ、一緒にここを出て行こうと言われるエリーダ。
自分の意思で結婚したわけではなく、ずっと自由へのあこがれを胸に秘めていたエリーダは、海と同じ引力を持つその男の登場でこころ揺れるが・・・。




船のデッキのような舞台美術が物語のスパイスを担っていた。
座席の位置のおかげかこのセットだと役者さんが本当に障れるほどに近くで演技をするので、
視線によってはこちらに問いかけてきているのでは?と錯覚するほどだった。
自分のこれまで人生の選択に疑問をもち、その疑問が疑問でなく恐怖となって自分に襲い掛かってくることに押しつぶされそうな女性を演じるには麻実さんは適役だ。
明るく抱かれるような大きな海のイメージの村田さん演じるヴァンゲルと
暗く触ると切れそうな冷たい海のイメージの見知らぬ船員役の眞島さんの演技の対比もよかった。
個人的にはヒルデ役の山崎薫さんがとても光って見えた。
少女が時として放つ言葉の辛辣なところなんてほんとうに可愛くて・・・(可愛いは失礼かな)



うん、なかなかな舞台でした。
「人生の選択は自己の責任おいてしなくては・・・するべきである」
が主題だったと理解した。
それにしても、観劇中も観劇後も胸がザワザワする感じがずっと続いていたり、疲労感が残ったのはどうしてだろう。

いつもならだれか一人の視点や気持ちに集中して舞台を観るのだが、
今回は演出妙なのか、それぞれの登場人物の内面や思いが伝わってくるので全員に注力して観たしせいなのか・・・。
結構な重量感のある作品でした。













 

by lilymiya | 2015-05-29 09:16 | 観劇 | Trackback | Comments(0)